誘導加熱,誘電加熱 | 加熱原理と加熱対象物の相違

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誘導加熱と誘電加熱の違い

高周波加熱のあれこれ

誘導加熱 英文ではINDUCTION HEATING, 誘導加熱装置とIH HEATERは同じ誘導加熱の原理です
  産業用の誘導加熱装置は3kHzから3MHz、調理用など、IHヒータは10kHzから30kHzが使われます

誘電加熱の世界では、産業用には3Mhzから300MHzの高周波誘電加熱、電子レンジは2.45GHzのマイクロ波誘電加熱が使われます

材料自体が発熱する
 誘導加熱,誘電加熱,では材料自体が発熱するとされる現象は、電源から電線などを介して材料に電力を加えないで発熱している現象です

誘導加熱と誘電加熱の相違を簡明に説明します

金属や非鉄金属などの導体は誘導加熱で加熱されます

誘導電流/渦電流

金属に電流が流れるとジュール加熱により、金属が加熱されます。この時の発熱量(W)=(電流の2乗)×(金属の抵抗値)によって決まります。この事は、ニクロム線と銅線に電流を流してみるとその差異で解ります。誘導加熱は、加熱コイル(ワークコイルとか、インダクタとも呼ばれる)に流れる電流から発生する交流(交番)磁界により金属に誘導される”誘導電流/渦電流”により金属が加熱される現象を表します。(写真右を参照)

従って、電流が流れない絶縁物では発熱が発生しません。誘導加熱の対象物は”導体”である事になります。

発熱量 表皮電流(浸透深さ)

発熱量
ワーク(負荷)と呼称される被加熱物に発生する熱量は、ワークに流れる電流とワークの抵抗値に比例します。その発熱量については上述のとおりです。上の写真はカーボン製の坩堝(ルツボ)を加熱している状態。左の写真はカーボンフェルト製の円筒を加熱している状態です。同じカーボン材質でも、電流の流れによって発熱量が異なる状態が観察されます

表皮電流(浸透深さ)
高周波電流は周波数の高さに反比例してワークの表層部を流れます。この現象を表皮電流と呼び、電流の流れる深さを浸透深さと定義します。電流の浸透深さは、周波数に反比例します。


これで正解
上記の事は沢山の出版物やWeb-siteに記載されています。ここで重要な事は、ワークで発生する熱量は、ワークの表層部に流れる電流によるものであり、ワークの内部における発熱は、表層部からの熱伝導

水分を含む材料や双極性を有するプラスチックは、誘電加熱により加熱されます

電子レンジによる誘電加熱

ある程度の水分を含む農産物や無機材料、そして(+)と(ー)の双極性を有するプラスチックなどを高周波電界中に入れると、激しい分子運動により熱エネルギーに変換されて発熱します。 

シリコン樹脂の型に充填されたゾル状の塩ビ樹脂を電子レンジに入れてONする(最近ではチンする)と、シリコン樹脂は加熱されませんが、塩ビ樹脂は加熱されて固まります(ゲル化)。右の写真参照高温で焼き上げられた陶器は加熱されませんが、乾燥前の粘土状成形品は誘電加熱で加熱・乾燥されます。

軟質塩ビ樹脂、ペット樹脂は誘電加熱されやすく、アクリル樹脂やナイロン樹脂も僅かながら加熱されます。又、フェノール樹脂やメラミン樹脂などの熱硬化性樹脂も加熱がされやすく、一部のゴムも加熱されます。

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